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暴落が到来したとき、市場を安定させることはAIに対応した社会の再編に比べれば容易だろう、と空売り投資家カーソン・ブロック氏は論じる。

要点

  • AIは3〜4年以内に米国の広範なナレッジエコノミーの雇用の15%を代替し、総需要を押し下げ、退職口座への資金フローを純流出に転じさせる可能性がある。
  • 引き出しは主にS&P 500連動のパッシブファンドに向かい、エヌビディア、マイクロソフト、アマゾンなどのAIメガキャップ銘柄が最大の株価下落に見舞われる可能性が高い。
  • その結果として起きる株式暴落は2007〜09年に匹敵する可能性があるが、流動性の回復は生産性の高い労働力の大量代替への対応よりも容易だろう。
カーソン・ブロック氏のイラスト肖像画
イラスト:ダン・ウィリアムズ

数年以内に、人工知能は世界の高給ナレッジワーカーのかなりの部分を代替するだろう。総需要は打撃を受けるが、退職投資口座への資金フローは純流出に転じる。労働者は積み立てを止めるだけでなく、資金を引き出す必要に迫られるからだ。

なぜパッシブ資金の流出がAI株を最も直撃するのか

こうした流出は主にパッシブ投資ファンド、特にS&P 500インデックス追随ファンドから生じるだろう。こうした解約では指数構成比率に応じて全銘柄が売却されるものの、価格への影響は均等には及ばない。

指数を押し上げてきたエヌビディア、マイクロソフト、アマゾンのようなAI「メガキャップ」は、限界的な買い手としての機械的なパッシブ資金流入に最も依存してバリュエーションを形成してきた銘柄でもある。皮肉なことに、その結果としてAI革命をけん引する企業が最大の株価下落に見舞われる可能性が高いのだ。

雇用代替の仮説

AIは変曲点にある。大規模言語モデルは非線形のペースで進化しており、後継モデルを自らコーディングしているため、まもなく指数関数的になるだろう。AIの最も洗練された使い手はテック企業にいる。

現世代のモデルを使って、彼らは多くの場合、以前は6人以上いたチームをわずか1人にまで削減した。3〜4年以内にAIが米国の広範なナレッジエコノミーの雇用の15%を代替してもおかしくない。

2つの反論は、「ジェボンズのパラドックス」――効率を高める新技術は需要も増やし、失われた分を相殺する新たな雇用を生むという歴史的経験――と、普及曲線の傾きに対する懐疑論である。いずれも誤りであることが証明されるだろう。

革新し発明する人類の能力は、その革新や発明に適応する能力を明らかに上回っている。AIモデルはおよそ6カ月ごとに性能が倍増している。このため、陳腐化した労働者はAIと競合するのではなく道具として使うための技能を身につけることができないだろう。

コストや価格の低下によってサービスや製品への需要が増加したとしても、多くの代替された労働者は依然として不要とされ、後継モデルの世代ごとにさらに多くの労働者がそうなるだろう。AIは企業のコストと価格設定に極めて深刻な影響を与えるため、迅速な導入に失敗すれば経済の幅広い分野にとって存続に関わる事態となるだろう。

機能不全の株式市場がいかに衝撃を増幅させるか

雇用代替は、退職貯蓄が米国の株式市場を動かす高学歴・高給の労働者に偏って及ぶだろう。シンプリファイ・アセット・マネジメントのマイケル・グリーン氏は、パッシブ投資が退職口座への資金フローによって指数レベルで大きく動く「機能不全」の株式市場をもたらしたことを示してきた。

同氏らの研究は、パッシブ投資の重大な帰結を浮き彫りにしている。1ドルの純流入・純流出が投資先銘柄にはるかに大きな影響を与え、最大規模の企業では100倍にも達し得る乗数効果である。

S&P 500は最大構成銘柄に対して自らモメンタムを生み出す指数となっている。上位10社が今や市場の時価総額に占める割合が前例のない水準に達しているため、同指数はもはや分散されたバスケットではなく、集中したボラティリティのわなと化している。

専門職層が住宅ローンの支払いのために口座の取り崩しを始めると、パッシブファンドは代替されて職を失った人々からの解約要求に応じるために指数を売却せざるを得ず、市場への影響は突発的かつ激甚なものとなるだろう。

皮肉なことに、純流出によるリスクが最も大きい最高のマルチプルを持つ企業は、その多くがAIスタックを構成する企業である。労働代替の仮説が現実化したとき、最も激しく打ちのめされるのはこうした新世界のスター銘柄の株価だろう。

2007〜09年規模の暴落――そしてより困難な課題

その結果として起きる株価の暴落は、特に総需要の低下と相まって、それ自体で2007〜09年の世界的金融危機に匹敵する、あるいはそれ以上の金融危機を引き起こすに十分だろう。プライベートクレジットや保険会社のバランスシートの問題が事態をさらに悪化させる可能性も十分にある。

世界的な流動性の縮小はすべての資産価値に影響する。デフレ圧力が高まるだろう。

良い知らせは、約20年前の危機が政策当局者に流動性を回復し資産を再膨張させるための十分に検証された手引きを与えたことだ。悪い知らせは、金融市場を安定させることが政府にとっては容易な部分だということだ。生産性の高い労働力の大量代替によってもたらされる社会の再編への対応には、はるかに苦慮することになるだろう。

成長が雇用から切り離されるとき

最終的に、もう一つの皮肉として、AI革命は多くの消費者が革命に参加するための所得をもはや持たない世界をもたらすだろう。成長が雇用から切り離された社会を作り直すことは、控えめに言っても、今日の政治構造が備えていない課題である。

私たちは強烈な市場調整だけでなく、既存の社会契約の終わりを目撃することになるだろう。政治と政策に関しては、古い言い回しの通り、「あなたは何もまだ見ていないのだ」■

カーソン・ブロック氏はマディ・ウォーターズ・リサーチの創業者兼最高経営責任者である。

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