- 2006年以降、英国の雌鶏は約1000億個の卵を産み、1人当たり年間約150個に相当する。その大半は、狭いバタリーケージで飼育されたケージ飼いの雌鶏によるものだった。
- 2012年からは最小のバタリーケージが禁止され、雌鶏が巣作りや地面をかくことができる場所を備えた、より広く快適なケージの提供が義務付けられた。
- 英国では現在、消費者がアニマルウェルフェアのためにより高い金額を支払い、スーパーが脱ケージ方針を強化するなか、平飼い卵とケージ飼い卵の生産量がほぼ並んでいる。
文:C.W.
2006年以降、英国の雌鶏は平飼いとケージ飼いを合わせて約1000億個の卵を産み、1人当たり年間約150個に相当する。その大半は、狭いバタリーケージに押し込められたケージ飼いの雌鶏によるものだった。いま英国では、平飼い卵とケージ飼い卵の生産量がほぼ並んでいる。なぜ平飼い卵が序列を上げているのか。

法規制:2012年の小型バタリーケージ禁止
法規制も一因だ。欧州連合(EU)が練り上げた計画により、2012年から最小のバタリーケージが禁止された。それ以降、養鶏業者は、雌鶏が巣作りや地面をかくことができる場所を含む、より広く快適なケージを提供することが義務付けられた。
政府閣僚は、英国の養鶏業界だけで雌鶏の飼育環境の改善に4億ポンド(5億500万ドル)を投じたと厳かに主張した。しかし、すべての農家がそれほど先見の明があったわけではなく、一部の悪質業者は規則をあざ笑うかのように鶏を劣悪に扱い続けた。2013年にリンカンシャーで、キャンペーン団体のアニマルエイドが密かに入手した映像に、身動きもままならないケージ飼いの鶏の姿が映し出され、波紋を呼んだ。

嗜好の変化とスーパーのケージ方針
明るい面では、消費者の嗜好の変化が、EU官僚がなし得た以上のことをもたらすかもしれない。政府が公表する注目度の高い四半期の卵統計の最新版によると、今年の第3四半期には、農場での平飼い卵の生産量がケージ飼い卵とほぼ並んだ(グラフ参照)。
アニマルエイドのような団体からの圧力により、英国の消費者は悪評のある生産者の卵を買うことに不安を覚えている。近頃、小売業者は鶏に優しい取り組みを盛んにアピールしている。高級チェーンのマークス&スペンサーは悪評を招きたくないため、殻付き卵だけでなく加工食品に使う卵も含めた100%平飼い卵方針を掲げている。ここ数カ月、他のスーパーも脱ケージ方針の強化に奔走し、その多くが数年以内の完全廃止を目指している。
価格は平飼いに有利、ただしオーガニックが示す限界
将来も明るそうだ。ここ数年、卵の価格は下落しているが、平飼い卵は他の種類に比べて相対的に高くなっている。このため農家には、ケージ飼いを減らして平飼いを増やす動機が生まれている。
もっとも、鶏の福祉に対する英国の消費者の関心にも限度がある。ケージ飼い卵の2倍以上の金額を出すオーガニック卵の販売は、ここ数年伸び悩んでいる。
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