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第二次世界大戦以降、米国は金融システムに対する3度の重大な脅威に直面してきたが、いずれも規制緩和と緩い監督の後に起きた。マーティン・グルーンバーグ氏は、ドナルド・トランプ氏の規制緩和推進が4度目をもたらしかねず、弱体化した機関では被害を抑える力が低下していると論じる。

要点

  • 貯蓄貸付組合(S&L)危機、2007〜09年の世界金融危機、2023年の地銀破綻はいずれも、規制緩和と監督の弛緩の後に起きた。
  • グルーンバーグ氏は、大統領令14215によるホワイトハウス統制、金融規制当局での10〜30%の人員削減、消費者金融保護局(CFPB)での約90%の削減案、さらに自己資本要件の引き下げを指摘する。
  • この路線が転換されなければ、遠からず再び金融危機が勃発すると同氏は警告する。
マーティン・グルーンバーグ氏の肖像イラスト
イラスト:ダン・ウィリアムズ

3度の金融危機、共通する構図は規制緩和

第二次世界大戦以降、米国の金融システムは3度の重大な脅威に直面した。いずれも規制緩和と緩い監督の時期を経て引き起こされた。ドナルド・トランプ氏の任期が終わるまでに、4度目が起きる可能性がある。

1980年代の貯蓄貸付組合(S&L)危機は、自己資本要件が緩いなかで貯蓄金融機関(スリフト)がハイリスクの商業用不動産取引に手を出し、監督当局が見て見ぬふりをした結果だった。

2007〜09年の世界金融危機は、サブプライム住宅ローンと、それをあおるために作り出された証券化商品に伴うリスクを抑えるための監督と十分な自己資本の要求を怠ったことで引き起こされた。

2023年の地銀破綻の前には、まさに危機の中心となった金融機関に対する資本・流動性要件と監督基準が緩和されていた。いずれの場合も、比較的安定した時期の後に過去の教訓が顧みられることはなかった。

金融規制の政治化

トランプ政権は過去の教訓を無視しているだけではない。大統領令による規制の露骨な政治化と、連邦金融規制当局全体にわたる大幅な人員削減によって、その失態をさらに悪化させている。これは次の金融危機の土台を築くものだ。

ドナルド・トランプ氏の下で、財務省は規制自体が金融の安定を脅かし得ると主張してきた。株式市場が沸騰し、信用環境が悪化するなか、金融の安全網が最も重要になる局面で、これは危険な主張だ。

政権による金融規制の弱体化策は、主に三つの要素からなる。第一に、独立規制当局を政治的な指揮下に置いている。大統領令14215は、規制当局としての連邦準備制度(FRB)を含むすべての連邦金融規制当局をホワイトハウスの統制下に置くものだ。

その対象は、あらゆる規制措置、政策、戦略計画、当局の法解釈に及ぶ。最近の最高裁判決で、これまで「独立」とされてきた金融規制当局のトップを大統領が解任できるとされたことで、その効力はさらに強まっている。すでに各当局の予算や人員の決定にも影響が出ている。

監督当局の空洞化

第二に、金融リスクを取り締まる当局が空洞化している。2025年5月、FRBは連邦準備制度全体で10%、約2400人の人員削減を発表した。5カ月後には、ワシントン本部の監督・規制部門を2026年末までに30%削減すると表明した。

連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)、証券取引委員会(SEC)など他の連邦金融規制当局も、20〜30%の人員削減を実施済みか計画している。消費者金融保護局(CFPB)に至っては、約90%という驚くべき規模の削減案に直面している。

経験豊富な幹部や組織の記憶、実証済みの判断力の喪失は、金融システムがストレスにさらされた場合に特に深刻な打撃となるだろう。

2023年の地銀危機を引き起こしたシリコンバレー銀行に関するFRBの検証と、シグネチャー銀行に関するFDICの検証は、いずれも銀行検査官の不足が両行への監督に影響したと結論づけた。その後、両当局でさらに数百人規模の検査官が失われたことがもたらし得る影響は、推して知るべしだ。

銀行監督の範囲縮小

トランプ氏の下で、銀行監督の範囲は狭まっている。昨年10月、FRBは「監督運営原則に関する声明」を回覧した。その中核的な指示は、「検査官その他の監督職員は、企業の重大な財務リスクに注意を優先的に向けるべきである。企業の安全性と健全性に重大なリスクをもたらさない手続きや手順、文書化に過度に注意を払って、この優先事項から目をそらすべきではない」というものだった。

これは見識を欠いた考え方だ。監督とは、重大な財務リスクが顕在化した後に反応することではなく、それを未然に防ぐことにある。これには、金融機関自身によるリスクの把握・管理や内部統制の有効性を評価することが含まれる。これらは2023年の地銀破綻における中心的な問題だった。

2026年4月のFRB原則の改訂では奨励的な文言が加えられたが、実質的な内容は変わらなかった。

大手銀行の自己資本基準引き下げ

政権の取り組みの第三の柱は、自己資本基準の引き下げだ。連邦銀行当局は、最大規模でシステム上最も重要な銀行に対するレバレッジ規制とリスクベースの自己資本要件の双方を緩和し、景気循環が転換した際のストレス耐性を低下させている。

当局はすでに、これらの銀行に対するレバレッジ自己資本要件を約30%引き下げる規則を最終化している。

自己資本は金融安定の基盤だ。それがあるからこそ銀行は信認を得て、好況時にも不況時にも経済の資金需要に応えることができる。世界金融危機の際、銀行は損失を吸収するのに十分な自己資本を持たず、政府から数千億ドル規模の支援を必要とした。

状況が良好な時期にこそ自己資本水準を高く保つべきだというのが、明白な教訓だった。これが銀行を不当に制約するという主張は、証拠によって裏付けられていない。

今回も例外ではないだろう――ただ違うのは、こうした危機への対応を託される機関が、コストを抑えるための人員も経験も資源も欠いていることだ。

マーティン・J・グルーンバーグ

次の危機がより大きな代償を伴う理由

これらの政策が相まって、金融の安定は大きく脅かされている。何が問われているのかを明確にしなければならない。この規制緩和路線と監督機関の弱体化が転換されなければ、再び金融危機が遠からず勃発するだろう。

マーティン・J・グルーンバーグ氏は2012〜18年と2023〜25年に連邦預金保険公社(FDIC)総裁を務めた。現在はエール大学金融安定プログラムの講師。

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